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深夜というか早朝というか4時である。
先程仕事が終わった。
仕事というか、作品が今日完パケを迎えた。
今回の作品はあっという間だったが、なんだか精神的な負担が大きかった気がする。
単純に理由なき仕事辞めたい期とぶつかってしまい、完成まで走らせるのに必要以上に労力が要った。
終わった。順調にいけば、再来週くらいには陽の目を見ることだろう。
寝ればいいものを風呂にも入らず、最近買った鳥飼茜の漫画みたいな恋したいを、ちょっとだけ読んでいた。
基本的には彼氏との日常の話(というか、彼氏中心の生活の日記)なので、読んでいる間自分の恋愛を振り返ることが多くなった。
今現在恋をしているわけでも、彼氏がいるわけでもないので、過去のことを思い出すしかない。
昔、自分の他人に見せたくないところ、嫌いなところを教えてとわたしにある男の子が聞いてきたことがある。
彼は恋人ではなかったし、そんなに仲良くなかったし、なんでそんなことを聞いたのかは全く分からなかったけれど、その目があまりにも興味に満ちていたので潔く答えることにした。
体にある大きな傷が嫌い。
わたしは手を小さい時に火傷して、小学生の時に皮膚移植をした。
皮膚は自分のお腹から持ってきた。
今、手の傷跡はパッと見ちょっと汚れているみたいに見える。
もともとは皮膚がしわくちゃゴツゴツになってしまっていたので、昔に比べればマシなのだけど、新たに知り合った人だとそんなことは知るよしもないので、手汚れてるよ?とたまに驚かれる。未だに。
多分この跡がなくなることはない。
問題なのはお腹の方で、もう15年以上経つのに20cmくらいの縫い跡がある。
大分薄くはなったのだけど、余裕で目視できる。
これも跡が完璧になくなることなんてないだろうなと思っているし、今やもう気にしていないのだけど、その時のわたしは処女じゃなくなってからそんなに時間が経っていなかったし、まだ10代だった。
この先男性に見られるのが嫌だった。
驚かれるのが嫌だった。説明するのも。
寮生活で大浴場だったのも嫌だった。
とにかく見られたくなかった。
そんな話をした。
すると、彼はお腹見せてよと言ってきた。
傷は大きかったのでお腹からスタートしてはいるものの、終着地点はほぼ股間。
なんか色々まずいので見せられないと返した。
ていうか、なんで見せたくないものをわざわざ見せなきゃいけないんだと思った。
デカイ傷はカッコいいからさ。
普通に生活してて大きくて残る傷なんかなかなかできないよ。
他の人にないもの持ってるってカッコイイでしょ。
しかもなんか戦った感も出るし。
そのあとわたしの傷の5分の1もないくらいの腕の傷を見せてくれて、こんなんしかないダサいと言って笑っていた。
そこからわたしは堰を切ったように洗いざらい自分の嫌いなところを白状した。
多分、他のところも全部肯定して欲しかったんだと思う。
そして望み通り全部肯定するような言葉を投げかけてもらった。
あぁ、好きだなあと思った。
別の男の子もそうなのだが、全力の肯定に、無邪気な肯定にわたしは弱い。
それで人を好きになることがよくある。
最近人を好きになっていないのは、全力の肯定に出くわしてないからだとも考えられる。
肯定されるだけの材料が今のわたしにないのだ。
今週25歳最後の週。
よりにもよって今年の誕生日は休日。
どうしようもない憂鬱はここからきているのかもしれない。
明日も仕事。がんばれないや。